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マイセンはなぜ高い?その価値を紐解く300年の歴史と芸術性

「マイセンの食器は美しいけれど、なぜこんなに高いのだろう?」と感じたことはありませんか。

ヨーロッパ最古の磁器として知られるマイセン、そのお皿一枚の値段には、300年以上にわたる壮大な歴史と、他の追随を許さない職人技が凝縮されています。

この記事では、マイセンはどこの国のブランド?という基本的な情報から、その特徴、食器の代表作までを詳しく解説。

コレクターたちが追い求める理由や、日本総代理店、アウトレットでの入手方法にも触れながら、マイセンがなぜ高いのか、その本質的な価値に迫ります。

この記事のポイント

  • マイセンが高価である根本的な理由
  • 300年以上にわたるマイセンの歴史と背景
  • ブルーオニオンなど代表作の魅力
  • 日本総代理店やアウトレットでの購入方法
  • マイセンはなぜ高い?その歴史的価値と特徴

マイセンはどこの国のブランド?

(出典:NHK)

マイセンは、ドイツのザクセン州にあるマイセンという都市で生まれた磁器ブランドです。

今から300年以上前の1710年に、ヨーロッパで初めて硬質磁器の製造に成功した窯として知られています。

その名は、創業の地である「マイセン」市に由来しています。

当時のヨーロッパでは、中国や日本の伊万里焼といった東洋の磁器が「白い金」とも呼ばれ、王侯貴族たちの間で大変な人気を博していました。

しかし、その製法は謎に包まれており、ヨーロッパの誰もがその秘密を解き明かそうと躍起になっていたのです。

そんな時代背景の中、ザクセン選帝侯アウグスト強王の命により、マイセンで磁器製造の研究が始められ、ヨーロッパ磁器の歴史が幕を開けました。

豆知識:創業の地「アルブレヒト城」

マイセンは創業当初、技術の流出を防ぐため、エルベ川のほとりにそびえる「アルブレヒト城」の中に工房が置かれました。

お城の中で磁器が作られていたなんて、ロマンがありますよね。

300年以上続くマイセンの歴史

(出典:マイセン公式HP)

マイセンの歴史を語る上で欠かせない人物が、ザクセン選帝侯のアウグスト強王と、若き錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーです。

東洋磁器の熱狂的なコレクターであったアウグスト強王は、磁器の製造法を解明するため、ベトガーを城に幽閉し、研究に専念させました。

本来は金を作り出す錬金術師であったベトガーですが、王の厳しい命令のもと、白磁の製造研究へと舵を切ります。

数え切れないほどの試行錯誤の末、1709年、ついにヨーロッパで初めて白磁の製法を解明。

そして翌年の1710年、王立ザクセン磁器工場が設立され、これが現在の「国立マイセン磁器製作所」の始まりとなりました。

このように、一人の王の情熱と、一人の錬金術師の血のにじむような努力によって、マイセンは誕生したのです。

その後も、バロック、ロココ、アール・ヌーヴォーといった各時代の芸術様式を積極的に取り入れながら、常にヨーロッパ磁器の最高峰として君臨し続けています。

マイセン磁器が持つ芸術的な特徴

(出典:マイセン公式HP)

マイセンの磁器が他のブランドと一線を画す特徴は、数多くあります。

中でも特に象徴的なのが、手描きによる精緻な絵付けと、品質の証である「青い双剣」の窯印です。

一点一点が芸術品である「手描きの絵付け」

マイセンの製品は、現代においてもそのほとんどが職人の手によって絵付けされています。

下絵のない真っ白な磁器に、熟練の絵付師がフリーハンドで直接描き込んでいくのです。

その筆致は驚くほど繊細で、花びら一枚、鳥の羽一枚に至るまで、生命感あふれる表現がなされています。

この手作業から生まれる温かみと芸術性の高さが、マイセンの大きな魅力と言えるでしょう。

信頼と伝統の証「青い双剣のマーク」

マイセンの全ての製品の裏には、コバルトブルーで交差する2本の剣が描かれています。

これは「剣マーク( Crossed Swords )」と呼ばれる窯印(かまじるし)で、1722年から使われている由緒あるシンボルです。

ザクセン選帝侯の紋章に由来するこのマークは、厳しい品質基準をクリアした製品であることの証であり、マイセンのプライドを象徴しています。

面白いことに、この剣マークは年代によって微妙にデザインが異なります。

そのため、アンティーク市場では、このマークがいつの時代のものかを見分ける重要な手がかりにもなっています。

有名な食器の代表作を紹介

300年以上の歴史の中で、マイセンは数々の不朽の名作を生み出してきました。

ここでは、特に有名で価値が高いとされる代表作をいくつかご紹介します。

代表作シリーズ特徴
ブルーオニオン1739年に誕生して以来、280年以上にわたり作り続けられているマイセン最大のベストセラー。中国のザクロや桃の模様をモチーフにしていますが、当時のヨーロッパ人には馴染みがなかったためタマネギ(オニオン)に見えたことからこの名がつきました。
スワンサービスバロック様式の最高傑作と称される、2,200点以上のピースから成る壮大なディナーセット。純白の磁器に、その名の通り白鳥(スワン)や水の神々がレリーフで立体的に表現されており、息をのむほどの美しさを誇ります。
波の戯れ現代マイセンを代表するモダンなシリーズ。さざ波のようなレリーフが特徴のシンプルな白い食器で、使いやすさと洗練されたデザインから日本でも大変人気があります。
人形(フィギュリン)食器だけでなく、磁器で作られた人形(フィギュリン)もマイセンの代表作です。生き生きとした表情や繊細な衣装の表現は、磁器とは思えないほどのリアリティがあり、世界中のコレクターを魅了しています。

マイセンはなぜ高いかを示す職人技

(出典:マイセン公式HP)

さて、本題である「マイセンはなぜ高いのか」について、その核心に迫りましょう。

結論から言えば、その価格は、何物にも代えがたい「時間」と「技術」の結晶だからです。

マイセンの製品は、原料となる磁土の採掘から成形、焼成、絵付けに至るまで、全ての工程が熟練した職人による手作業で行われています。

特に重要なのが、職人の育成システムです。

マイセンが高価である理由

  • 独自の職人養成機関:マイセンには付属の養成学校があり、絵付師になるためにはまずここで数年間、基礎を徹底的に学びます。
  • 長い下積み期間:学校を卒業しても、すぐに一人前にはなれません。その後、何年にもわたる工房での修行と厳しい試験を経て、ようやくマイスター(親方)の称号を得られるのです。
  • 莫大な育成コスト:一人のマイスターを育てるのにかかる費用は、一説には数億円とも言われています。この莫大な教育コストが、製品の価格に反映されているのです。
  • 1万色以上の絵の具:絵付けに使われる絵の具は、なんと1万色以上。これらも全て自社で開発・管理されており、門外不出の秘法となっています。

つまり、マイセンのカップを一つ手に入れるということは、一人の職人が人生をかけて習得した技術と、300年間受け継がれてきた伝統そのものを手に入れることと同義なのです。

これが、マイセンの価格が他の食器と一線を画す最大の理由です。

目次

マイセンがなぜ高いかを示す価格と入手法

  • 代表的なお皿の値段はどのくらい?
  • コレクターに愛されるアンティークの価値
  • 日本総代理店での購入について
  • アウトレットで安く手に入れるには?

代表的なお皿の値段はどのくらい?

(出典:マイセン公式HP)

マイセンの食器の値段は、シリーズやデザインの複雑さによって大きく異なります。あくまで一例ですが、代表的な製品の価格帯を見てみましょう。

  • コーヒーカップ&ソーサー:シンプルなものでも1客5万円以上、複雑な絵付けが施されたものになると数十万円になることも珍しくありません。
  • プレート(お皿):デザートプレートのような小さなもので数万円から、ディナープレートになると1枚10万円を超えるものも多く存在します。
  • アンティーク品:年代や希少性によっては、カップ1客で100万円以上、ディナーセット一式となると数千万円の値がつくこともあります。

マグカップ一つで数万円と聞くと驚いてしまいますよね。しかし、前述した職人たちの手間と技術を考えれば、それだけの価値があることにも頷けます。

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コレクターに愛されるアンティークの価値

(出典:アンティーク ウィンチェスター)

新品だけでなく、アンティークのマイセンも世界中のコレクターから高い人気を集めています。その価値は、単に古いからという理由だけではありません。

  • 希少性:過去に作られたもので、現存数が少ない作品は当然価値が高まります。
  • 歴史的価値:特定の時代に作られたものや、王侯貴族が所有していたものなど、歴史的な背景を持つ作品は高値で取引されます。
  • 廃盤になったデザイン:現在は製造されていないシリーズやデザインのものは、二度と手に入らない可能性があるため人気です。
  • 剣マークの違い:前述の通り、裏面の剣マークは年代によって異なります。古い年代のマークを持つ作品は、それだけで価値が上がることがあります。

もしご自宅に古いマイセンの食器が眠っているなら、それは思わぬ宝物かもしれません。

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日本総代理店での購入について

(出典:GKジャパンエージェンシー株式会社 日本総代理店

日本で安心して本物のマイセン製品を購入したい場合、最も確実な方法は日本の総代理店や正規取扱店を利用することです。

現在、日本の総代理店は「ジーケージャパン株式会社」が担っており、全国の有名百貨店内にマイセンの正規販売店を展開しています。

正規店で購入するメリットは以下の通りです。

  • 品質保証:厳しい検品をクリアした一級品のみを取り扱っているため、品質が保証されています。
  • 豊富な品揃え:最新作から定番の人気シリーズまで、幅広いラインナップから選ぶことができます。
  • 専門知識を持つスタッフ:製品に関する専門的な知識を持ったスタッフから、詳しい説明を聞きながら購入できます。
  • ギフト対応:贈答品として購入する場合も、マイセンのブランドにふさわしい丁寧なラッピングをしてもらえます。

高価な買い物だからこそ、信頼できる正規店での購入がおすすめです。

アウトレットで安く手に入れるには?

(出典:楽天市場)

「憧れのマイセンを、少しでもお得に手に入れたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。そういった場合、アウトレット品を探すという選択肢もあります。

マイセンのアウトレット品は、主に以下のような製品です。

  • 二級品(セカンドクラス):製造工程でわずかな傷や色のむらができてしまったもの。裏面の剣マークにスクラッチ(傷)が入っているのが特徴です。
  • 廃盤品:製造が終了したシリーズの在庫品。

アウトレット品購入時の注意点

アウトレット品は定価よりも安く購入できる魅力がありますが、購入前には必ず実物を確認し、傷や色むらの状態に納得した上で購入することが大切です。

また、偽物も出回っている可能性があるため、信頼できる店舗で購入するようにしましょう。

日本国内では、御殿場プレミアム・アウトレットなどに正規のアウトレット店が出店していることがあります。訪れる際には、事前に店舗の有無を確認することをおすすめします。

まとめ:マイセンはなぜ高いのか

最後に、この記事の要点をリスト形式でまとめます。マイセンがなぜ高いのか、その理由を再確認してみましょう。

  • マイセンはドイツ発祥のヨーロッパ最古の磁器ブランド
  • 300年以上の揺るぎない歴史と伝統を持つ
  • 東洋磁器に憧れたアウグスト強王の情熱から生まれた
  • 原料の採掘から完成まで全ての工程が手作業
  • 独自の養成学校で長い年月をかけて職人を育成する
  • 一人前の職人を育てるのに莫大なコストがかかる
  • 1万色以上の門外不出の絵の具を自社開発している
  • 全ての製品に手描きで絵付けが施される
  • 品質の証として裏面に「青い双剣」マークがある
  • ブルーオニオンなどの不朽のベストセラー作品を持つ
  • アンティーク品は希少価値から高値で取引される
  • 食器だけでなく芸術的なフィギュリン(人形)も有名
  • 日本では総代理店や百貨店で購入可能
  • アウトレットでは二級品などを安く手に入れられる可能性がある
  • その価格は時間と技術と伝統の結晶である
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